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『第二次大戦後のユンガーをめぐって』

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「パリ日記」以後のユンガーの世界を訪ねます。

Unterwegs , 14 . August 1944
Plotzlicher Aufbruck bei Beginn der Dunkelheit . Ich brachte mein Zimmer in gute Ordnung , stellte einen Blumenstrauss auf den Tisch und teilte Trinkgelde aus . Leider vergass ich in der Schublade eines Schrankes Briefe , die unersetzlich sind .

Plotzlich(突然の)  Aufbruck(出発、旅立ち) Beginn(始まり、発端) brachte=bringen(pass) もたらす、生み出す Ordnung(整頓) Blumenstrass(花束)
Trinkgelde(チップ) ausstellemn(配置する) Schublade(引き出し) Schrank(戸棚、食器棚) vergessen(忘れる) unersetzlich(取り返しのつかない)


1944年八月十四日、ウンターヴェーグス
夕闇の降りる頃、突然の出来事のように出発した。私は自室をきちんと整頓し、机のうえに花束と、分けておいたチップを置いた。失敗ったことに私は戸棚の引出しに幾つかの手紙を忘れてしまい、取り返しのつかないことをしてしまったのだった。


Saint-Die , 15 . August 1944
Fahrt uber Sezannes , Saint-Dizier , Toul , Nancy nach Saint-Die in Lothrigen . Die Strassen flimmerten im Hochsommerlicht und waren von Jagdbombern uberwacht . Wir kamen an zahlreichen Wagen voebei . Andere lagen bereits im weissen Staub .

Flimmern(きらきら輝く) uberwachen(見張る、監視する) zahlreich(多数の) Staub(塵、埃) bereit(用意が、準備ができた) lag=liegen(past) ~の状態にある

1944年八月十五日、セント-ディ
セザンヌ、セントーディジエール、トゥール、ナンシーを抜けて一路、ロスリンゲンのセントーディに向けて出発した。街の通りは空高くからの真夏の光に輝いていて、爆撃機からの攻撃の監視下にあった。私たちは多数の車を連ねて通過することができた。他方では、いつでも白い塵を被れる状態にいた。
# by 1945junger | 2012-04-25 06:04 | Trackback | Comments(0)
荻野央と申します。
エルンスト・ユンガーに魅せられて、もう20年が過ぎた。国内で訳されたものはすべて読み、国立国会図書館に蔵されている断章も読んだ。もっとも強い印象は、政治批評でも奇怪な小説でも無く、日記でも無い。『小さな狩り』という美しい随筆である。次いで『砂時計の書』に引き込まれてしまった。

丸善を通じて二年くらいかけてKlett-Cottaの全集を揃えてしまった。18巻!
おそらく生きているうちに原典を読むことはできないに違いない。
でも、それはそれで仕方のないことだ。

去年、刊行された『パリ日記』にふたたび強い印象を受け、それに続く『キルヒホルスト草紙』を訳すことにした。
この日誌は1944年8月14日から45年4月11日まで書き綴られた。なお『パリ日記』は1944年8月10まで書かれており、その続編である。
ユンガーの息子エルンステルはイタリア戦線、カララの山中で戦死した。1944年11月29日のことである。最愛の息子を失った悲しみについて、ユンガーは親友、カール・シュミット宛の手紙(1945.2.10)にこう書いている。
「彼岸のことについての好奇心がときにひどく強くなり、死ぬことを待ち望むほどになることがあります」と。私は彼についての短い報告を受けましたが、そこから私は、彼が少なくとも死を回避しなかったのだと推測しています。私はこの若者のために記念碑を立てることが許されるのではないかと思っています。この二年間に私は、父と息子と生まれ故郷の町を失いました。」

息子は父の考えに共鳴していて、反ナチ側に立っていた。その報復人事の末に戦死したわけである。ナチズムに抗し、文学者としての詩聖と厳しい鋼鉄の現実の挟間に苦しみ、息子を失うユンガー。
# by 1945junger | 2012-04-23 16:15 | Trackback | Comments(0)
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